コロナ自粛中。自宅でどうしてる? 「ムッシュー・パン」~しゃっくり本紹介~

しゃっくり本

コロナ自粛生活始まりました

皆さん、こんにちわ。

自宅近隣では新型コロナウイルスが爆発しております。
とうとう私も濃厚接触者となり、自宅での自粛生活が始まりました。
職場の方々には、大変な迷惑をかけてしまい、とても心苦しい思いです。

 

コロナ自粛中 家族4人、どうやって生きていく?

本日、自宅待機3日目です。
家族4人、全員が自宅に籠ることとなり、生活の様式に困ってしまいました。職場の感染対策担当者からのアドバイスを参考に以下のようにルールを作ってみました。

・自宅内、全員マスク着用
・1時間に1回、換気
・お風呂も一人ずつ、時間あけて
・食事は別々のテーブルを使用し、別方向を向いて可能な限り黙食
(おいしいね、のアイコンタクトOK)
・食事はカウンターに並べるビュッフェスタイル(おかわりの際はマスク着用)

コロナ自粛中、食材の入手が困難!

食材の入手が、意外と難しく悩んだところです。
自粛が開始した日に、妻が10日分の献立表を作成し、両親に買い物を頼みました。 品物は、玄関前に届けてくれ、冷蔵庫に食品が入り一安心しました。

生活はできそう、あとは自分がやるべきことを! しゃっくり時間?

これでなんとか生活はおくれることになりました。
あとは各自、自分のやるべきことを見つけて、現在まで、過ごしてきました。

私はというと、たまっていた原稿を書いたり、研究したり、読書したりして過ごしています。読書といえば、やっぱりしゃっくり本です。入手はしていたものの、なかなか読めていなかった本に挑戦してみました。

 

しゃっくりと文学作品  ~ボラーニョ文学~

ということで、今回は、文学作品の「ムッシュー・パン」について紹介します。

「ムッシュー・パン」はロベルト・ボラーニョというチリの小説家・詩人が生み出した作品です。ボラーニョ文学とも称される作品をいくつも世に出しているようです。

恥ずかしながら本と言えば、医学書、小説、ビジネス本のみという私にとっては、もちろん作者の名前も知りませんでした。自分が真剣に文学作品を読むことになるとは!もちろん、本書との出会いは しゃっくり に他ありません。

ボラーニョコレクション
「ムッシュー・パン」
ロベルト・ボラーニョ著  白水社

文学作品としゃっくり あらすじは・・・

舞台は1937年パリです。主人公は ピエール・パンという催眠術師です(催眠術が実践医療として用いられていた?)。医師も治療をあきらめた重症患者の治療を求められます。症状は しゃっくり のみです。どんな検査でも原因がわからず、また治療にも効果を示さないしゃっくりの治療のため、主人公のパンは患者を訪れます。

治療の目途がたつものの、その患者をめぐり様々な不可解な事件(?)に巻き込まれていきます。結果的に患者を診ることができず、その患者は亡くなってしまいます。

 

久々の文学作品、読めたのか? しゃっくりとの関係は?

詩的な表現が多いと感じましたが、読みすすめることができました。というより、意外とのめりこんで読んでいました。ところどころで、どういった表現なのか、何を表現しているのか、本を置いて考える必要がありましたが。

主人公を通して死生観というか、死や病という観念が色濃く表現されていました。完全に本書を理解することは難しそうですが、ボラーニョ文学に触れることができた気がします(気がしただけ?)。

 

最後に、本書の中のしゃっくりについての表現を引用してみます。
主人公パンが、患者(バジェホ)の病室をおとずれた際の表現です。

 

しゃっくり本 本文引用

目の前には、病院に一定の期間隔離された人に共通する奇妙な絶望的威厳の漂う病人のとがった顔が、遠慮がちに横たわっていた。他の部分はどれも輪郭がぼんやりしていた。(中略)部屋の静けさのなかで彼のしゃっくりだけが聞こえていた。バジェホ(患者)の顔については、少なくともそのたった一度だけ面会したときの描写しかできないのはわかっている。だが、あのしゃっくり、耳をすませば ーつまり、本当に耳をすましてみればー あらゆるものを吞み込んで聞こえていたあのしゃっくりの性質は、言葉では言い尽くせないものでありながら、同時に音波のエクトプラズムとかシュルレアリストの発見のようなものだった。(中略)誰でも知っている通り、しゃっくりは筋肉の収縮運動であり、横隔膜の痙攣が声門を急に妨げ、特徴的な音を断続的に引き起こすものだが、バジェホのしゃっくりはそれと違い、患者の体とは関係なくそれ自体で完全に自律しているようだ、あたかもバジェホがしゃっくりに苦しんでいるのではなく、しゃっくりがバジェホに苦しんでいるかのように。

 

しゃっくりとエクトプラズムしゃっくりが 音波のエクトプラズム

本日は しゃっくり本を紹介しました。
やはり、文学作品におけるしゃっくりの表現は、一味も二味も違います。もしご興味があれば、手に取ってみてください。
もっと軽いしゃっくり本をご希望の方は、しゃっくり丸しゃっくりがいこつ がおすすめです。

 

たかがしゃっくり、されどしゃっくり・・・。
しゃっくりに苦しんでいるのではなく、しゃっくりが苦しんでいる。
んん 難解です。

早く感染状況が落ち着けば良いなと思う次第です。
周りの方々に支えられながら、家族助け合いの時間を過ごしています。
皆さんも、ご自愛ください。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。