小説「柿のへた」

しゃっくり本

先日、キャンプに行ってきました。
キャンプといえば、鳥のさえずりを聞きながら読書でしょう!

ということで、しゃっくり本「柿のヘタ」の紹介です。
集英社文庫より出版されています。


題名 : 柿のへた
作 : 梶 よう子

時代は江戸時代。この頃の医療といえば、薬草から作った薬が大活躍していました。この本、「柿のへた」は幕府が使用する生薬の精製やその薬草の栽培を行っている御薬園に努める同心(役人)・水草草介が活躍する短編集です。様々な薬草(生薬)が登場するので医療者にとっては勉強にもなりますし、物語も軽快なので、どなたでも楽しめると思います。

表題作の 柿のへた は、腕は良いのに試合で勝てない剣術生のお話です。なぜ勝てないのか?それは試合になると吃逆(しゃっくり)が止まらなくなって、試合に集中できないらしいのです。草花・生薬に精通している主人公の草介は、柿のへたを煎じます。さてその効果は?

しゃっくりと水戸黄門 という記事でもお伝えしましたが、柿のへたはしゃっくりの特効薬として古くから使われていました。小説「柿のへた」の中では、丁子、生姜と一緒に煎じる漢方処方 柿蔕湯 が処方されます。丁子や生姜は矯味および体を温める作用、柿のへた が吃逆(しゃっくり)を止める効果があるとされています。


一遍を読み終わり、ふと見上げると、周りの木々が柿の木に見えてきたりします。
静かな環境で、さわやかなしゃっくり本、とても癒されます。

たかがしゃっくり、されどしゃっくり・・・。
柿のへたの効果の詳細については、またの機会にご紹介します。

最後まで読んでいただきありがとうございました。